土木計画・設計部門

①敷地造成における生態系の保全・再生

近自然工法は、大気・水・土壌に着目して緑豊かな環境を再生し、生態系の底辺を構成する生物相を豊かにします。このため、生物多様性の保全や地球温暖化防止に向けた炭素の固定・蓄積などの効果も期待されます。
私たちは、景観を生態系の集合体として捉え、地域の生態系へのダメージが最も小さい造成計画を立案するとともに、近自然工法により敷地内に本来の生態系を再生し、CSRにも貢献できる敷地造成を提案しています。
実際の施工にあたっては、設計意図が現場施工に確実に反映されるよう、設計監理や施工要領の指導を行います。また、生物の専門研究員を交えたプロジェクトチームによる、工事後の環境の維持・管理に係る計画づくりなども行っています。

①敷地造成における生態系の保全・再生 ギャラリー

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●近自然コンセプトによる敷地造成のポイント

・地形改変の最小化
敷地内の大気・水・土壌の働きと生態系を維持する上で大切な場所を選定し、それらを保全できる造成計画を立案します。

・生態系再生の手助け
造成された敷地の中で本来の自然が自らの力で再生されるよう、微地形や植生を復元し、大気・水・土壌の働きを正常に戻します。

・景観に馴染むデザイン
排水路、敷地内通路や広場などの施設は、生態系に配慮するだけでなく、地形の風土・文化を踏まえて景観的に違和感のないデザインを行います。

●事例  近自然コンセプトを導入した敷地造成の事例
森の中の工場「サンデンフォレスト」

環境保全と産業発展の共存を目指して森の中に建設された工場「サンデンフォレスト」の敷地造成において、設計・施工のコンセプト監理に携わり、地形改変を抑えた宅盤造成、生態学的連続性の分断要素の排除、ビオトープ整備による連続性の再生などの提案を行いました。 これらの環境整備は造成工事で発生した土石や伐採木等を利活用して行い、敷地外に廃棄物を一切搬出しませんでした。このため、環境保全だけでなく、建設コストの削減にもつながりました。
現在、敷地にはその土地本来の生態系が再生されつつあり、地域の人々の憩いや学びの場として親しまれ、多くの見学客も訪れています。

>>造成の特徴(サンデンフォレストホームページ)

●代表的な受託業務
・近自然敷地造成計画検討業務(平成11~13年度・サンデン株式会社)
・研究開発施設用地造成事業における近自然コンセプト導入検討業務(平成19年度~・トヨタ自動車株式会社)
・ゆず農地造成事業設計委託業務(平成19年度~・株式会社ゆず組合・馬路村農協)