土木計画・設計部門

長年培ってきた「近自然工法」の技術と経験を活かし、環境への負荷を最小限にしつつ、より多くの生物が生息できる川づくりや景観づくりのあり方・手法を提案しています。

水深確認

設計検討

近自然河川工法(治水と環境の調和した川づくり)に関する各種設計検討を行っています。設計検討においては、治水・利水面を踏まえた上で、より自然な河床形態を設定し、極力、石材等の自然素材のみで構築する対策工(水制工や分散型落差工)を適所に設置して、自然の営力による創出・維持を目指します。

測量調査

河川の状況を把握し、設計検討に反映することを目的として、各種測量調査を実施しています。調査時には、必要に応じて、構造物の確認、水深や流速の測定、みお筋調査、UAVを用いた空撮なども組み合わせて実施し、得られたデータを基に設計検討を実施しています。
また、設計を実施した箇所において、工事完了後の経年変化の把握を目的とした事後調査も実施しています。

近自然河川工法の普及

近自然工法は、計画・設計から施工にいたる各段階での現場の自然の見方が重要であり、講義・指導等を通して技術の普及を行っています。特に施工段階では、自然素材を用いた工法が求められますが、形状が様々であるそれらの安定を図った上で、安全かつ多様に活用する技術が必要なため、現場指導を行っています。

近自然工法による治水と環境が調和した川づくり

①石礫河川の再改修と併せた環境復元

近年、地球温暖化との関連が指摘されている「局地的な集中豪雨」の増加により、全国各地で河道計画の見直しや、河道拡幅や河床掘削などの河川改修が行われつつあります。
これらの工事のなかには、元々形成されていた多様な物理環境を乱し、河川の生息種の種数や個体数を減少させる事例を多くみかけます。このようにして乱された河床が、流水の作用のみで再び本来の物理環境に回復するまでには多くの時間を要します。
私たちの“川づくり”では、治水上必要な河積を確保しながら、河川生物の生育・生息環境の基盤となる“物理環境=河床形態”をあらかじめ造成し、より自然に近い河床環境へ早期に回復させることを基本にしています。

石礫河川の再改修と併せた環境復元
石礫河川の再改修と併せた環境復元

②石礫河川における二極化現象の改善

近年、全国各地の河川において、護岸工事などの人為的な影響により、みお筋(河道内で普段水が流れているところ)が固定化して河床が低下する一方で、陸域部の冠水頻度が減少して樹林化する、いわゆる“河道内の二極化”が問題となっています。
私たちは、このような問題を抱えた河川において、その川の持つダイナミズムを活用し、“水の流れ”と“土砂の動き”を自然に近く復元することで、二極化を抑制する試みを行っています。

近自然工法による人と自然が共生した景観づくり

①敷地造成における生態系の保全・再生

近自然工法は、大気・水・土壌に着目して緑豊かな環境を再生し、生態系の底辺を構成する生物相を豊かにします。このため、生物多様性の保全や地球温暖化防止に向けた炭素の固定・蓄積などの効果も期待されます。
私たちは、景観を生態系の集合体として捉え、地域の生態系へのダメージが最も小さい造成計画を立案するとともに、近自然工法により敷地内に本来の生態系を再生し、CSRにも貢献できる敷地造成を提案しています。
実際の施工にあたっては、設計意図が現場施工に確実に反映されるよう、設計監理や施工要領の指導を行います。また、生物の専門研究員を交えたプロジェクトチームによる、工事後の環境の維持・管理に係る計画づくりなども行っています。

②文化的景観の保全・整備

近自然工法による環境整備の技術は、農山村の文化的景観の保全・整備にも応用することができます。たとえば、生活・生業の維持・効率化のために行われる基盤施設(道路・農林道、農用地・用水路等)の整備・改修において、私たちは生態系へのダメージを最小化しつつ、景観の価値を損なわない整備・改修のあり方を提案しています。

近自然工法=人間活動と生物生存両立のコンセプト!
スイスで誕生した近自然工法
日本で近自然工法を発展させていくためには、日本の気候風土、その土地の地形や地理的条件に合わせた考え方や技術が必要であり、わが国の伝統工法を導入してきました。

近自然工法について 詳しくはこちら>>

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